オーストラリアのBtoB薬局市場においての大手、およびEkino Vietnamの顧客企業としてのDirectoの事例は、適切なプラットフォーム基盤への投資の戦略的な価値を代表しています。
課題
Directoは、3,000以上の薬局と180のサプライヤーを結びつけるネットワークを運営しています。このサプライチェーンの規模の大きさは一方、運用上の課題も恒常的に発生していました。各薬局は、主要ベンダー1社と直接取り引き先50社に個別連絡する必要があり、電話・メール・請求書が錯綜する混乱を招いてしまいました。
Directoは、これらの分断された連絡を統合できるデジタルプラットフォームを求めていました。しかし、障壁は少なくありませんでした。
- 断片化したデータ:サプライヤーからの非構造化データに対し、継続的な手作業の標準化が必要
- システムの過負荷:薬局グループからの連結受注の大量トラフィックでシステムが定期的に圧倒され、インターフェースがクラッシュ
- 可視性の不足:既存のプラットフォームでは、顧客の所在地や契約条件などの複雑な変数に基づく、動的な価格・在庫のリアルタイムかつ詳細な可視性が実現できない

解決策
Ekino Vietnamの支援を受け、DirectoはOroCommerceを導入して、いよいよこれらの複雑な問題を解決しました。
OroCommerceは、コマース、マーケットプレイス、およびCRM機能をネイティブに実行できるシステム、そして信頼できる唯一の情報源(Single Source of Truth)として据えました。特に、組み込みCRMはマスター製品カタログを一元管理し、複数のサプライヤーSKUを薬局向けの単一で分かりやすいビューにマッピングします。
顧客側には、OroCommerceが顧客レベルの詳細な可視性ルールを適用しつつ、数千ものサプライヤー固有のプロモーションを同時に実行しています。
サプライヤー側には、製品情報・価格・映像など、自社のデータを管理できる専用ポータルが提供されました。また、在庫変更はFTPやCSVを通じてシステムを定期的に取り込み、専任データチームが事前に手作業で整備しました。
この統合されたアプローチは、具体的かつ有意義な業務改善をもたらしました。SaaSスプロールや同期エラーを完全に回避し、営業、サービス、運用チームがすべて同じ一貫したデータレコードに基づいて業務できるようになり、分断された個別のシステムが不要になりました。

進化する柔軟なインフラ
驚いたことに、OroCommerceが構築したモデルは持続可能であるだけでなく再利用可能であることが明らかになりました。Directoは、在宅介護マーケットプレイスで介護者と薬局をつなぐプラットフォームの構築を依頼された際、OroCommerceのマルチ組織対応を利用し、同一インスタンス内に、独自の顧客・カタログを持つ完全に独立したエンティティを提供しました。これは、OroCommerceを活用した新たなデジタル基盤の堅牢性の証左となりました。

成果
OroCommerceの影響は、収益に最も顕著に表れています。5年で売上は7倍となり、2025年だけで5万件超の注文を処理、GMV(流通取引総額)で4,600万ドル以上を記録しました。かつては多くても少数の注文しか処理しなかった状況からの大転換です。
この戦略の利点の一つは、人員増を必要としないのです。既存する3名の IT チームが引き続き、 OroCommerce 上で全てを運用しています。このプラットフォームが重い作業の大部分を担うことで、統合度の低いインフラで起こりがちな悪化させる技術的負債を回避しています。
堅牢な技術基盤を得た Directo は、バックオフィスの煩雑さを細かく管理するのではなく、将来の成長を見据えるようになりました。国内の薬局の半数が依存するこの基盤を活用し、新たなバーティカルへと事業を拡大できます。したがって、ビジネスを成長させ、市場での確固たる足場を維持しています。